レズビアンに限らずLGBTの当事者はどこか自己肯定感が低い傾向にある。
そりゃそうだ、一体自分のどこを自己肯定すればいいというのだ?
好きになった人の大体は男性に取られ、幸せそうに結婚という制度にゴールインしていく。
カミングアウトすれば、奇異の目でみられる。
信頼していた友人へ「絶対に秘密にしてね」のカミングアウトも、下手したら周囲にバラされて、一体だれを信頼していいのか分からなくなる。
年頃になれば、両親からの「孫の顔が見たい」攻撃にさらされる。
セクシュアリティを偽って結婚したとしても、そんなに好きになれない男と同じ墓にはいるだけの人生。
会社に入れば、男社会の中で当たり前にセクハラ発言が飛び交う。
「結婚してない女性」というくくりの中に入れられ、「あの人は性格的に〇〇だから結婚できないんだ」と後ろ指をさされる。
まだまだ言い足りない位、息ができなくなる出来事が我々には降りかかる。
以上に加え、地味なレズビアンに降りかかる別の苦しさがある。
自己肯定なんかしている暇なんて、ない。現状を耐え、逃げ隠れしなくてはならない。
社会へ、両親への強い罪悪感。本当に息がつまりそうだ。
レズビアンの自己肯定感の低さ
・恋愛=つらい
自分でない誰か(両親を除く)に愛された経験が少ないことは、そのまま自己肯定感の低さに繋がっていくように思える。
そもそも、この社会に蔓延る恋愛至上主義がその原因になっている。
“当たり前”のように恋の歌が流れ、漫画では“当たり前”のように主人公はヒロインと結ばれて。
“当たり前”のように好きだったあのコは、男性を好きになって結ばれていく。
『自分は愛されない』『自分は普通じゃない』
自分がセクシュアルマイノリティーだと気付くのは、中学生位が多いように思える。
人生で最も多感な時期に、他者と親密な関係になれない孤独感。他者に認められず、満たされない承認欲求。
「恋愛なんてつらいだけ」「自分はおかしいんだ」
自分のセクシュアリティに気付いたその日から、気持ちを押し殺すだけの毎日を送らなければならない。
そして、貴女の片思いの相手が親しい友人であったりする場合は、他の男と結ばれていく片思いの相手を、黙って近くで見ていなければならない。
また、「貴女が男だったら、彼氏になってもらってた」と冗談を言われ、深く傷つくこともある。
貴女が地味で大人しいレズビアンであればある程、決して告白なんてせずに遠くから幸せになっていく彼女を見続けるのだろう。
・両親に申し訳ないという罪悪感
“家”という概念が薄れた現在であっても、やはり親としては我が子の結婚・出産は気になる部分である。
「気になる人、いないの?」「孫の顔が見たいんだけど…」「街コン、参加してみたら?」「子どもってかわいいわよ~?」「同級生の〇〇ちゃん、公務員と結婚して子ども産んだんだって!」
上記全ては「いつ結婚するの?」という一言を言いたいがために放つ攻撃である。
それでなくても日本社会には「結婚して子どもを産み、育ててやっと一人前の人間」とする風潮が残っている。
その風潮によると、レズビアンはどれだけ税金を納めても、どれだけ社会に貢献しても、どれだけ良い人間でも、一生、“一人前の人間”にはなれないようだ。
せっかく産んで育ててもらっておいて、親にも社会にも何の恩も返せない“罪悪感”。
その罪悪感は自己肯定感をさらに低くさせる。
貴女が“良い子”であればある程、つらい毎日だろう。
「できるだけ親の期待に応えたい。でもできない…」と思い苦しんでいるのだから。
まとめ
レズビアンは、結婚や社会進出といったような女性への差別とセクシュアルマイノリティへの差別、その2つの生きづらさに晒されることになる。
カミングアウトなどできない地味なレズビアンは、下を向いて黙って自分の気持ちを押し殺しているのだろう。
“普通”になれなかった私たちはどうやって生きていけばよいのだろうか。
レズビアンの一生というロールモデルがない。見つからない。
そんなもの、一般ウケしか狙わないメディアが伝えてくれるはずもない。
最近の流行りなのか、レズビアンのYouTubeチャンネルはいくつも存在しているが、キラキラしているような美人カップルが出てきて、一体誰に向けた情報なのか分からないトーク企画を行っている。
社会は目立ってキラキラしたものを求めるのだから、それも仕方のないことかもしれない。
しかし、キラキラ光るだけでは温かさは与えられない。
キラキラしない地味な私たちはどうやって、どこに向けて歩いていけばいいのか?ロールモデルを教えていただきたい。
現在の社会の中で、レズビアンが自己肯定感を高めるのは難しい。自己啓発本を読んで、カウンセリングを受けて…何年、何十年かかる話だというのだ?
「こうやって幸せに生きているレズビアンがいる」「ずっと一緒に生きて、一緒に老人ホームに入ったレズビアンカップルがいる」そんな事例をあげることで、「未来は明るい」「レズビアンだけど、不幸じゃない。大丈夫」と思ってもらえることが、自己肯定感を高める一番の方法ではないかと考える。
なお、本記事に関連して、親へのカミングアウトについて以下にリンクを貼っておくので参照していただきたい。
(参照)親へのカミングアウトについての私見
(続き)女性がおひとり様であるということ【レズビアンはつらいよ*2】