「私ね、男の人に興味ないんだ」
「この友人にならカミングアウトしてもいいかな」
そんなふうに思える友人がいたら、貴女はとてもラッキーだ。
けれど、「親友だからこそ、話したくない」そう思って秘密にしていることも、何も悪いことではない。
何もかもをオープンにしなくてはいけない関係など、友情と言えるものではない。
カミングアウトは、“しなくてはいけないモノ”では全くない。
けれど、カミングアウトをすることで貴女の気持ちが楽になるのなら、すればいい。その程度のモノだ。
目次
私、レズビアンなの。
このリアクションはつらいよ
友人にカミングアウトをするということは、
「貴女とこの先も友人でいたいし、できることなら理解してほしい」
そんな思いがある。それだけは察してもらいたい。
それを知ってか知らずか残念なリアクションが返ってくることもある。
「私のことは好きにならないでね?」
なんだろう、この悪意無く拒絶された感は。
友愛と恋愛は一緒だと思っているのだろうか?
他者に向ける感情を性愛一つだけだと思っているのだろうか?
「今の友情を壊してほしくない」という願いよりも、「変なことに自分を巻き込んでもらいたくない」という感情からの発言と思って良い。
もっと深めて言うと、「私はノンケ。LGBTへの理解は示すけど、所詮は対岸の火事」と言ったところだろう。
このパターンのリアクションが返ってきたら、残念だがこの友人とは少し距離を置いた方が良いだろう。
「女湯とかで他の人の裸とか見てるの?」
お前は異性だったら、例え父親や兄の裸にも欲情しているのか?そんなことはないだろう。
レズビアンであろうとなかろうと、女湯でジーっと他人の裸体を見ることはしないのではないだろうか。
他人を凝視してはいけないような、仲が良い友人同士ですらなんだか気まずい感じがする。
エチケットという言葉をお前は知らないのか。
このパターンのリアクションが返ってきた場合も、この先の友情に期待はできないだろう。
「あー、今、流行ってる“アレ”ね」
セクシャルマイノリティーって流行るんだろうか?
ファッションでこっちはレズビアンやってるんじゃねえよ。こちとら物心ついた時から女一筋だわ。というか、そもそもファッションレズビアンってあるの?
流行りが終わったら、私は異性愛に戻るの?
異性愛こそが“普通”で、それ以外のセクシュアリティは“異常状態”だとでもいうのか。
このパターンの本音は「なんか配慮しないといけない面倒なモノ」という認識である。
それか本格的にセクシャルマイノリティー云々の知識がないパターンである。
「でも、男性アーティスト好きじゃん!」
私が何を好きだろうがどうでもいいだろうが。
アーティストに対する気持ちとセクシュアリティの好みは違うんだよ!
アーティストが作り出すものへの尊敬とか、憧れとか、リスペクトなんだよ。
“好き”という言葉の意味の違いも分からないのかよ。
だったら女のお前は、女性芸能人とかアイドルには興味ないんな?
〇〇坂の〇〇ちゃんのメイクマネしてみた~って言っていたけどそれは何なんだ?
まとめ
ここにも上げきれなかった“残念なリアクション”はもっとあるだろう。
単にセクシャルマイノリティーへの理解がないのならともかく、悪意を感じるリアクションだったのなら、残念ながらその友人との友情は貴女の思い違いだ。
長い年月をかけて友情を育んでいた相手が上記のようなリアクションをとってきたとしたら、それはとてもショックだろう。
しかし、このカミングアウトの反応で友情にヒビが入ってしまったとしても、それは決して貴女の問題ではない。
セクシャルマイノリティーの話題について、その友人とは分かり合えなかったというだけだ。
ちなみに、嬉しいリアクションとしては、
「うん、知ってるw」と言われたり、「そうなんだ」と単に会話の一つとして受け止めてくれるケースである。
「あ…今まで私が言ってきたことで嫌だったこと、ある?ごめん、知らなかったから…」と逆に質問されたりしたら、貴女はその友人を持てたことに感謝した方が良い。
(続き)地味レズビアンの苦悩【レズビアンはつらいよ*5】