ここまで地味なレズビアンが不安になる孤独死について、数回に分けて解説をしてきたが、
「じゃあ、自分がまだ元気なうちに何をしておけばいいの?」
ということをまとめてこのシリーズを終了したい。
死ぬ前にこれだけはやっておけ
・物を捨てる
俗にいう、身辺整理と言うやつだ。
仮に貴女が物を増やさずに身軽で生きるミニマリストであったとしても、生きている限り物は増える。
貴女が孤独死をした時、貴女の住まいがアパートやマンションであると管理会社や大家、もし貴女に遺族が居たらその遺族が貴女の住まいを片付けることになる。
いずれの場合も多くは清掃業者に依頼をすることになるのだが、そのコストはご存知だろうか。
業者にもよるが、だいたい2tトラック1台で5万円。処分する物の量と人手の数により価格は高くなる。そうなると、テレビに出てくる典型的なゴミ屋敷であるとウン十万のお金が飛んでいっているわけだ。
貴女が元気なうちから物の量を減らしておくだけで、遺族や管理会社にかかる負担が減る。
悲しい話であるが、貴女の宝物は他者からすればゴミでしかない。
大事にしていた服、宝物にしていたアイドルのグッツ、趣味で集めていた書籍…全部ゴミ。
運よく清掃業者がその物の価値が分かったとして、二束三文で転売されるだけだ。
自分で処分するのに抵抗があるのなら、宝物であったとしても生前のうちに友人に「形見分け」とでも言って譲ってしまおう。
『捨てる』・『売る』・『譲る』の3つの方法。以上を覚えておこう。
・遺言書の準備
もし貴女にちょっとでも遺産があるのなら、あの世には持っていけないので全額使いきっておこう。
一人暮らしであったとしても土地や財産の名義が貴女である可能性がある。遺族同士の争いに発展することがあるので注意しよう。
少し面倒だが、法的効力の認められている遺言書を残しておくことをお勧めする。
法的効力のある遺言書は直筆で作成しなくてはいけなかったりと書き方に面倒なルールがあるので、事前に調べてから作成しよう。
微々たる金額でも意外と遺族でモメる原因になるという。一番いいのが冒頭にも述べたとおり、全額使いきってしまうことだ。
・エンディングノートを作成する
「遺産は無いから、遺言書はいらないかな…」と思った貴女。せめてエンディングノートだけは書いておこう。
遺言書と違い法的効力はないが、葬儀や墓に関する希望だけでなく貴女が日常で使用しているパソコンやインターネット上のデータの取り扱い希望、その他の個人情報、重要な事項に関する情報をまとめておくことができる。
大きめの本屋であれば2千円くらいで販売されているので、暇な時にでもどんな内容なのか立ち読みしておこう。
まとめ
上記3点はどの終活サイトにも記載されている内容をまとめた。
そもそも孤独死を避けるために『自分と同じ環境で生活している人と仲良しのコミュニティに入る』『一人暮らしであることを役所に知らせる』『訪問系サービスを利用する』などの方法もあるが、地味なレズビアンの貴女はおそらくそれらの方法はとらないだろう(特に地域コミュニティには絶対入ることはないと思われる)。
最後に1つ。
「孤独死が怖いんです…」という貴女に私が「孤独死は〇〇という理由で怖くないよ?」と今までの解説をしたとしても、恐らく貴女の心には刺さらないだろう。
それは、今の貴女が孤独だからだ。
このままあの世に行くのは寂しいからだ。
「ああ、良い人生だった」と思える人生を送っていないからだ。
エンディングノートを書いても、遺言書を作っても、死への準備を完璧にしたとしても、貴女にはまだやり残したことがあるからだ。思い残すことがあるからだ。
『死ぬ前にこれだけはやっておけ』
それは、「どのように死んでいくのか?」ではなく、「どう生きるか?」を考えて前向きに生きて、前向きに死んでいくこと。
やってみたかったこと、いきたい場所、会いたい人、謝罪したい相手、貴女が思い残すことは一体なんだろう?
やり残したことがないように、生きていってほしい。
それが一番、貴女が『やらなければならないこと』だ。